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授業紹介:文化史学序説

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 文化史学科研究室です。 5月31日(火)、「文化史学序説」では複数の先生による特別授業がおこなわれました。 文化史学科の1年生は、必修科目として「文化史学序説」を履修します。 この授業は、文化史学科の専任教員11名が順番に授業を受け持つオムニバス授業で、本年度は「疫病」をテーマに先生方がそれぞれの専門の観点から講義をされています。 今年の春、先生方が作成された『疫病と文化史』が教科書として使われています! 授業の様子 これまでの授業では、中世ヨーロッパにおけるペストの拡がりや奈良時代の天然痘大流行、日本における種痘の始まり、疫病禍のキリスト教、中国史を動かした疫病とその克服、天然痘と江戸時代の絵画について講義が行われました。   前半6回の授業と担当教員   中世ヨーロッパにおけるペストの拡がり(担当:桃井先生…西洋史) 奈良時代の天然痘大流行―その傾向と対策―(担当:中野渡先生…日本史) 日本における種痘の始まり~天然痘撲滅に向けて(担当:狐塚先生…日本史) 疫病禍のキリスト教(担当:坂田先生…聖書学) 中国史を動かした疫病とその克服(担当:石野先生…東洋史) 天然痘と江戸時代の絵画(担当:佐々木先生…日本美術史) この日の授業では、前半の第6回までを担当した先生方が参加し、これまでの授業で寄せられた学生さんからの質問に対して回答やコメントがおこなわれました。 また、文化史学科の先生方で作成した『文化史をあるく 国内版』に基づきながら、それぞれの先生が選んだ国内の場所(浦賀周辺、仙台、会津、長崎、青山霊園、岡山)について紹介がなされました。 この教科書を作成するために、現地を訪れて写真を撮影した先生もいたそうです!   『文化史をあるく 国内版』   浦賀周辺 (担当:桃井先生) 仙台   (担当:中野渡先生) 会津   (担当:狐塚先生) 長崎   (担当:坂田先生) 青山霊園 (担当:石野先生) 岡山   (担当:佐々木先生) 授業の最後には、先生方から、学生時代とくに1年生のうちに取り組んでおいたほうが良いことについて、先生方ご自身の学生時代の経験も交えながらのアドバイスもありました。 学生さんのコメントシートでは、 文化史学科の学びの多面性を知ることができた 先生が紹介した場所を夏休みに訪問してみたい といったコメントが寄せられました。 授業を担当

気になる!文化史学科の学生さんってどんなことに興味を持っているの? ②人びと・人物

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 文化史学科研究室です。 文化史学科の学生さんが興味を持っている分野についてご紹介いたします! 今回は「人びと・人物編」です。 文化史学科2年生 Oさん   アイヌ民族   ★このテーマを選んだ理由 きっかけは「ゴールデンカムイ」という漫画から。アイヌ民族の考え方や習慣などが興味深く、是非紹介したいと思ったから。 ★この発表原稿を作る際に工夫した点・苦労した点 ゴールデンカムイがきっかけでアイヌに興味を持った人は多くいると思ったので漫画に登場するキャラクターを載せて読みやすくした点。 ★ 「アイヌ民族」以外に発表してみたいテーマはなんですか? 様々な時代の武士の服装について。時代によって武士は服装が変わっていき、ビジュアル的にも歴史らしいテーマだと思うから。 Point ゴールデンカムイとは? ゴールデンカムイはざっくり言うとアイヌ民族が残した金塊を巡って様々なキャラクターが争う漫画なのですが、その中でアイヌ民族の文化や北方の少数民族の文化が描かれており、民族に関する造詣が深まる作品だと認識してます。 文化史学科2年生 Bさん   昭憲皇太后の生涯・活躍について   ★このテーマを選んだ理由  元々母と天皇家関連について話すことが多かったことや、テーマ決めに悩んでいた際に、母が昭憲皇太后に興味を持っていたこともあり、昭憲皇太后に関するテーマで書いたらどうかと薦められたことがきっかけです。昭憲皇太后について調べていくうちに、女子教育や福祉などの現代に繋がるようなものを創り、明治天皇と共に国民に慕われた女性だったことを知り、彼女に対して尊敬の念を抱きました。 ★この発表原稿を作る際に工夫した点・苦労した点   写真の位置や、読者の皆さんに分かりやすい内容で書くように努力しましたが、文字のフォントの関係で内容が少し分かりにくくなってしまったかもしれません。  ★「昭憲皇太后」以外に発表してみたいテーマは何ですか?   日本文化について(茶道、雛祭りの歴史、古田織部など)  POINT 明治天皇の人物像 昭憲皇太后や女官たちなどの周囲の人に自分が考えたあだ名をつけて呼ぶというおちゃめな一面がある。例えば、昭憲皇太后の場合は、鼻が高かったことにより「天狗さん」と呼んでいた。  明治天皇

大井知範先生 「おすすめ!学内スポット」紹介

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 文化史学科研究室です。 暑い日が続きますね。 「文化史学科の先生方 おすすめ!学内スポット」シリーズ。 第3回目の6月は当初の予定を変更し、西洋史がご専門の大井知範先生です。 大井知範先生 専門分野:西洋近代史、国際関係史 近代のドイツとオーストリア(ハプスブルク帝国)が海外世界へ向かう動きに焦点を当て、それを近代グローバリゼーションという大きな枠組みの中で読み解く課題に挑戦している。特に、政治と軍事、科学や文化、思想の史的諸相に注目し、海外世界に対する両国のまなざしと関与の仕方を探究している。 大井先生のおすすめスポット   図書館2階  新書・文庫コーナー 膨大な背表紙のタイトルを追っかけているだけで 知的好奇心が湧きだします。 研究テーマに悩んだらぜひ一度ここへ足を運んでみてください! 大井先生へのインタビュー ①図書館新書・文庫コーナーの中で学生さんに読んでもらいたい本(おすすめ本)はどれですか? このコーナーにはジャンルもテーマも多彩な本が数多く並んでいるため、おすすめの本をピックアップするのは難しいですね。まずはコーナーを少し歩き本棚を見渡してみてください。背表紙を見ていて気になるタイトルがあれば目次を見てみましょう。それからパラパラとページをめくってみてください。おや、この薄さなら一気に読み終わるかも!小さくて軽いこの本なら持ち帰りも苦にならない!何よりも内容が面白そう!そう感じたら借り出して読んでみましょう。その小さな1冊との出会いがみなさんを学問と教養の深みへ導いてくれるはずです。 本を選ぶ大井先生 ②先生が今、一番読みたい(または欲しい)本は何ですか? 大井先生が読みたい書簡集 読みたい本は山ほどあるのですが、残念ながら仕事に追われてその山がどんどん巨大化しているのが現状です。 その中から読みたい本を1冊だけ選ぶのは難しいですが、時間があるときにじっくり読みたいと思っている書簡集があります。みなさんは19世紀のオーストリア帝国にフランツ・ヨーゼフ1世という皇帝がいたのをご存知でしょうか?18歳で即位し86歳までハプスブルクの君主であった傑物です。毎朝日が昇る前に起床して仕事に励み、今のウィーンの原型を作った人物でもあります。その彼が妻であるエリザベート皇后に宛てた大量の手紙が残っていて、それを収録したドイツ語の分厚い2巻本が出版されています。凛

文化史学科 学科章コンテスト開催!! Part 2

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文化史学科研究室です。 西洋文化史特殊講義Ⅲa(大井知範先生) の特別企画!「文化史学科 学科章コンテスト」。 続いて第3位と第4位をご紹介いたします。4位には2作品が選ばれました! 第3位(4票) 文化史学科4年 O.A. さん  作品のポイント!  1番外側にある盾のような枠は、清泉女子大学の紋章と合わせました。合わせた理由は、清泉女子大学があってこその文化史だと思うので同じにさせていただきました。 1番中央にある円の中に十字になっているマークは、本館にある島津家の家紋と、日本史・東洋史・西洋史のうちの西洋史をイメージしました。 中央の円の周りにある4つの三日月は、清泉のホームページにあった4つの専門分野(歴史学、美術史学、哲学・思想学、宗教学)をイメージし、彼岸花をイメージしています。 彼岸花の花言葉の一つに、「再開」という意味があり、中学・高校までの歴史は暗記科目だと思われがちだが、文化史学科に入ることによって、新たな歴史の見方を学び、今までとは違った歴史とのふれあいに「再開」して欲しいという願いを込めました。 蓮の花は仏陀の下にあるイメージなので、日本史、東洋史、西洋史のうちの東洋史をイメージしています。 水色のなみなみは、水や川の流れをイメージしていて、枯山水をもとにしています。日本史をイメージしています。 第4位(3票) 文化史学科 3年 O.R.  さん 第4位(3票) 文化史学科 4年 O.S.  さん  作品のポイント!  構成要素・モチーフ 文化史を持つ、四つの専門分野(歴史・哲学・宗教・芸術) 燃え続ける太陽 奥庭のふうの木 滾々と湧き立つ泉 ルビンの壷(盃) 説明 燭台の先のような四本は「四つの専門分野(歴史・哲学・宗教・芸術)」を表しており、先が尖がっているのは、その先に未来が継続していくことを表現するためであり、頂点にある「燃え続ける太陽」は我々がこの先歩んでいく未来を表現している。 ボディは「奥庭のふうの木」を模しており、力強い幹と根は、我々が現在学んでいる四つの専門科目における先行研究や人類の歴史という養分を運んでいること、またそれを糧に学んでいることを表現している。 両翼にある「滾々と沸き立つ泉」は、様々な考え方や疑問、また感情が我々から湧きだしており、その強弱はあれど決して涸れることのない泉(意志と心)であることを表

文化史学科 学科章コンテスト開催!! Part 1

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 文化史学科研究室です。 皆さんは「紋章」と聞くと、どんな形の、どんなものを想像されますか? 国や地域を示すもの 個人を特定するための印 スポーツクラブやチームの印 校章 などなど。 そんな「紋章」について西洋文化史特殊講義Ⅲa(大井知範先生)の授業で取り上げられました。 そして、授業の特別企画として 「文化史学科 学科章コンテスト」 が開催されました!! 応募作品は全部で18点。 受講者34名による投票の結果、入選5作品が決まったそうです!! *** 大井先生よりコメント もいただいていますのでご紹介いたします。 西洋文化史特殊講義IIIaでは現在ハプスブルク帝国の歴史を勉強しています。授業ではこの帝国が長年使っていた紋章(「双頭の鷲」)の由来や意味について紹介しました。紋章は昔も今も国や家ごとに数多く考案されてきました。いろいろ調べてみると、国の特徴を表したユニークな国章が多いことに気づきます。 ところで日本にも国章に準じた紋章があるのをご存知ですか?パスポートの表紙をご覧になってみてください。清泉女子大学にも素敵な校章がありますね。国や大学にあるなら学科にも!というわけで、もし「文化史学科章」を作るとしたどのようなデザインが考えられるか、授業内で公募をしてみました。1週間後、17名の学生から考え抜かれた力作の応募があり、文化史学科を熟知した34名の受講生が厳正な投票で優秀作品を選びました。 このコンテストを通じて、世に存在する紋章にはそれぞれ深い意味が込められていることを楽しく学べたのではないでしょうか。次は「文化史学科ゼミ章」コンテストでお会いしましょう! *** 早速、作品を見ていきましょう。まずは、第1位と第2位です! 第1位(8票) 文化史学科4年 S.K. さん  作品のポイント!  文化史の特徴である「歴史学を中心に美術史、思想史、宗教史の視点からも歴史を学ぶ」という部分から  美術史→絵筆 宗教史→十字架 思想史→葦  でそれぞれを表現。 思想史が葦なのは「人間は考える葦である」という言葉から。 文化史(Cultural history)のcとhを組み合わせた。 輪郭は清泉女子大学の校章と同じ形にすることや大学の校章のユリの花の茎と葦の茎の形を似せることで清泉女子大学所属ということを強調。 第2位(7票) 文化史学科3年 S.M.

気になる!文化史学科の学生さんってどんなことに興味を持っているの? ①国・建築

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 文化史学科研究室です。 文化史学科の学生さんが興味を持っている分野についてご紹介いたします。 様々な時代、地域、分野が学べる文化史学科。学生さんたちがどのように勉学に取り組んでいるのか、このブログを通じて知っていただければ嬉しいです! この記事は学生さんたちがガーデンパーティー(春の学園祭)でポスター発表した内容をまとめたものになります! 授業で発表をする際、「レジュメ」という発表内容をまとめたプリントを作成します。 そのレジュメを基に作成されたのが、こちらのポスターです! 今回は「国・建築編」です。 *ポスターはクリックすると大きく見やすくなります。ぜひクリックしてみてください。 文化史学科2年生 Tさん   インカ帝国   ★このテーマを選んだ理由 小学生の頃にインカ帝国展へ行ってから、ずっと好きな国であったため。 ★このポスターを作る際に工夫した点・苦労した点 本物のマチュピチュの写真を使った方がいいのですが、是非自分でインカ帝国やマチュピチュについて調べていただけたらなと思い、絵を載せました。また、右上・左下には金製のリャマ像を描きました。 ★ 「インカ帝国」以外に発表してみたいテーマはなんですか? ロートレック、ミュシャについて フランス語で「良き時代」を表す、19世紀末から20世紀初頭にかけてのベル・エポックの時代が好きだから。 Point リャマとは? リャマはラクダ科の哺乳類で、背にコブはなく、耳は細長く先がとがっています。また、体毛は長く、赤褐色・黄褐色・黒色・白色など様々です。南アメリカのボリビアやペルーなどの山岳地帯で、乗用や荷物の運搬に用いるために飼われています。 金製のリャマはインカの神々を崇拝する儀式の際に捧げる供物として作られました(奉納品)。 文化史学科2年生 Kさん   シャルトル大聖堂   ★このテーマを選んだ理由  ゴシック建築が大好きで、その中でもシャルトル大聖堂は、ゴシックとロマネスクの両方の建築様式から成るという珍しい聖堂であり、中には「シャルトルブルー」と呼ばれるステンドグラスをみれることができるとても魅力に満ちた建物であるからです。 ★このポスターを作る際に工夫した点・苦労した点   少しでもシャルトル大聖堂の美しさが伝わるように背景にステンドグラスやシャルトル大聖堂の