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文化史学科の学び紹介Vol.7:文化史入門演習(思想:哲学)

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 文化史学科研究室です。 2023年度の文化史ブログでは「文化史学科の学び」を紹介していく新シリーズをがスタートいたしました。 第7回目は2年生の選択必修科目「文化史入門演習(思想:哲学)」についてご紹介いたします! 文化史入門演習(思想:哲学) 担当教員   鈴木崇夫先生 これから授業が始まります 授業内容: ハンナ・アーレントの哲学 について学びます。 ドイツ生まれのユダヤ人女性であるハンナ・アーレント(1906-1975)は、20世紀を代表する思想家の一人に数えられています。日本でも評判になった映画『ハンナ・アーレント』(ドイツ・ルクセンブルク・フランス合作・2012年作)を教材として、彼女の思想の土台をなす哲学に焦点をあてます。 哲学のさまざまなトピックについても、それを理解し、自分なりに考えていけるようになります。  映画の中の登場人物について説明する鈴木先生 履修可能な学年  2年生 鈴木先生からのコメント 「ルールはルールだ」と主張する人、あるいは、教師や上司の命じることを常に率先して遂行しようとする人――そういう「真面目な」人が日本には多いような印象を受けます。そういう真面目さは、もちろん美徳でもありえますが、同時にある種の思考停止状態でもありえます。ごく普通の市民が思考停止状態に陥ることで途轍もない悪が引き起こされる場合がある、とハンナ・アーレントは考え、その問題に正面から取り組みました。受講生たちは、哲学の扱う問題が私たちの日々の生活と密接に関係していることに気づき、《自分の頭で考える》ことを実践するようになります。 授業を履修している学生さんからのコメント 相対的価値観や官僚的組織、社会の思考停止について考えさせられる映画でした。組織の意志によって悪の指標は決定されたものであり、悪が変化してしまうことについて、その価値について考えました。悪と言われていることが本当に悪なのかは時代によって変わってしまうことが恐ろしいと感じました。絶対的な悪というものは何なのだろうかと思考しました。 哲学を学んでいると正解というものは時代、人によって変化するものであると感じます。でもそこが哲学の面白いところであると思います。(文化史学科2年 Oさん) この授業ではハンナ・アーレントという政治哲学者の映画を用いて「悪」の概念や「思考すること」について考えていき

文化史学科30周年記念シンポジウム 開催報告

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 文化史学科研究室です。 本年度、文化史学科は創立30周年を迎えました。清泉祭第1日目に合わせ、11月4日(土)、30周年を記念するシンポジウム「言葉の力:文化史学科の学びを考える」(文化史学科主催、人文科学研究所共催)が開催されました。 シンポジウムでは、桃井治郎准教授による講演「読解と叙述の役割」および鈴木崇夫教授による講演「言葉の力と言葉の「限界」について」に続き、両講演者および石野一晴准教授、木川弘美教授、文化史学科卒業生の小池朋実さん(埼玉県狭山市立博物館学芸員)による討議が行われ、「言葉の力」をキーワードに文化史学科の学びと教育について見つめ直し、その特徴や意義について議論が交わされました。 シンポジウムに登壇された先生方と卒業生 シンポジウムの様子 当日は、文化史学科で教鞭をとられた旧教員の先生方や卒業生、在校生など約40人が参加し、シンポジウム後には懇親会も開催され、和やかな雰囲気の中で懇談が行われました。 来場した方々からは、「卒業以来、「学ぶ」ことから離れていた自分にとって、今回のシンポジウムでの先生方のご講演は学生時代を思い出し、文化史学科の学びで得た学びの重要性や価値を実感する時間になりました」というご感想や「文化史学科の学びは人生を豊かにするということは就職した現在でも実感しているところです」というご感想も寄せられました。 懇親会の様子 なお、シンポジウムの内容は、来春発刊予定の『清泉文苑』(清泉女子大学人文科学研究所)第41号にて掲載予定です。

「メソポタミア文明をイラクで掘る:クルディスタンの考古学と文化遺産保護」文化史学会・文化史学科共催講演会のご案内(12/1)

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 文化史学科研究室です。 文化史学科ではこの秋、文化史学会と共催でメソポタミア文明と文化遺産保護に関する講演会を開催いたします。 中部大学人間力創成教育院教授の西山伸一氏をお招きいたしまして、「 メソポタミア文明をイラクで掘る: クルディスタンの考古学と文化遺産保護 」と題し、ご講演いただくこととなりました。 どなたでも入場できますので、ふるってご参加ください。受験生の皆様もぜひ! メソポタミア文明をイラクで掘る: クルディスタンの考古学と文化遺産保護 講師:西山伸一氏(中部大学人間力創成教育院 教授) 日時:2023年12月1日(金)13時40分~15時25分(3限) 会場:清泉女子大学 1号館3階 133教室 参加費:無料(申し込み不要)     *当日は門衛所にてお名前等をご記帳いただきます。 問い合わせ先:清泉女子大学 文化史学科研究室 03-3447-5551(代)

清泉祭の報告! 文化史学会・発展講義3・文化史学特別演習

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 文化史学科研究室です。 11月4日(土)、5日(日)に大学の学園祭「清泉祭」が開催されました。 二日間ともお天気に恵まれ、たくさんの方がご来場くださいました! 文化史学科からは、文化史学会、「発展講義3―犬山・名古屋研修旅行―」、「文化史学特別演習―イタリア研修旅行―」の3つのグループが清泉祭に参加しました。 文化史学会 文化史学会では学科の先生方の紹介、過去の講演会や学生の時間割紹介をおこないました。 また、12月1日(金)に開催する講演会のテーマにちなんで、メソポタミア文明やイラクに関する発表展示をおこないました。 唐揚げの販売もおこない、こちらは、両日とも早い段階で完売となりました! 発展講義3 ―犬山・名古屋研修旅行― 夏休み入ってすぐの7月末に開催された犬山・名古屋研修旅行。 清泉祭に合わせて作成した冊子の展示と、訪れた場所の紹介展示、動画を作成しました。 入り口には名古屋城、犬山城や世界の民家の立体ペーパークラフトが並びました。 リトルワールド、明治村、犬山城、名古屋城、そして引率の先生方の紹介が盛り込まれた30分の動画は見ごたえがありました。 冊子は130ページを超える大作になっています。 冊子は文化史学科研究室に保管していますので、ご覧になりたい場合はお声がけください! 文化史学特別演習 ―イタリア研修旅行― 4年ぶりの海外研修旅行はイタリアで! ローマ、ミラノを始め、訪れた土地の紹介ポスターを作成しました。 また、入り口には「真実の口」を再現し、実際に手を入れ、記念撮影ができるスポットをご用意しました。 窓にはステンドグラスが再現され、陽の光が室内に差し込むと教室内に厳かな空気が流れました。 現地で購入したお土産も展示され、イタリアへ行ったような雰囲気に包まれた展示となりました。 いかがでしたでしょうか。 文化史学科の学生さんたちの学びを少しでも知っていただければ嬉しいです!

文化史学科の学び紹介 Vol.6:宗教学概論

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 文化史学科研究室です。 2023年度の文化史ブログでは「文化史学科の学び」を紹介していく新シリーズをがスタートいたしました。 第6回目は「宗教学概論」についてご紹介いたします! 宗教学概論 担当教員   井上まどか先生    Youtube動画を使って正教会について説明する井上先生 宗教とは何か? 宗教学とはどのような学問か?  宗教学概論では宗教学という学問の基礎を学びます。さまざまな宗教現象に宗教学はどのようにアプローチしてきたのか、多様な宗教現象を学んでいきます。 そして、宗教の歴史とその地域的展開を理解します。古代オリエントから現代のアフリカの宗教まで、世界諸地域の宗教現象の概要について学びます。  授業内容: シャーマニズム  神話・世界・人間  神・神々・聖なるもの  キリスト教の歴史と地域的展開  イスラームの歴史と地域的展開  仏教の歴史と地域的展開  民族宗教の歴史ーユダヤ教・ヒンドゥーイズム・神道ー  ロシア、ウクライナ、ベラルーシの宗教  中南米の宗教  アフリカの宗教  宗教学と諸学    履修可能な学年  2年生 井上先生からのコメント 宗教学は人間学です。宗教のさまざまな現象をみていくと、人間の一番美しいところと俗っぽいところの双方があらわれています。 一緒に人間の奥深さについて考えてみませんか? 授業を履修している学生さんからのコメント 宗教学を学んだことがなくても、 宗教学の基本から各国、地域の宗教史を学ぶことができました。 仏教史やユダヤ教など幅広く教えていただけるので、宗教に興味がある!という方にはおすすめです。 (文化史学科2年 Tさん)

発展講義3 犬山フィールドワークの報告!

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 文化史学科研究室です。 今年度から新しくスタートした授業「発展講義3」では愛知県を訪れました。 フィールドワークに参加した文化史学科4年生から報告が届きましたので、ご紹介いたします。 発展講義3 犬山フィールドワーク 7月30日(土)から8月1日(月)に愛知県の名古屋・犬山でフィールドワークを行いました。17人の学生と石野先生(東洋史)、井上先生(宗教史)、木川先生(西洋美術史)、中野渡先生(日本古代史)、桃井先生(西洋史)、狐塚先生(本学名誉教授)が旅をしました。JR名古屋駅大閣通口に集合だったため、新幹線に慣れていない私は皆と集合するまでが一番緊張しました。 野外民族博物館リトルワールド 1日目は野外民族博物館リトルワールドを訪問しました。この施設は珍しい屋外の博物館であり、世界各地から集められた建物を展示しています。現地から建物を移築する際も現地の人を招いて建築したため再現度がとても高くなっています。また、民族資料を展示した屋内の本館展示室もあります。 見学を開始する前にリトルワールドの学芸員の方から博物館資料の収集方法や普段博物館で何をしているのか、また、苦労話も聞かせてもらいました。 見学の際には事後学習のため建物を調べるグループに分かれました。本館展示を調べるグループAと石垣島やアイヌ、台湾の家や北アメリカ、アラスカの家、南太平洋の島々の家、ヨーロッパの家を調べるグループBと世界のテント村、アフリカの家、ネパール、インド、トルコ、タイの家と韓国と山形県の家を調べるグループCに分かれて行動しました。 私のグループはCでした。韓国農民の家と地主の家を見比べたり、タイの寺院で六道輪廻図を見たり、西アフリカのカッセーナの入り口が低くて床が半地下式になっている家に入ったりしました。同じアフリカやアジアの地域でも国によって建物の形状が全く違っていて面白かったです。お昼は「ガストホフバイエルン」というドイツの旅籠を模したレストランでソーセージ三種盛りを食べました。それぞれ違った味と食感がして美味しかったです。 明治村 2日目は博物館明治村に行きました。この施設は明治時代に建てられた建築物を展示した野外博物館です。施設内はとても広くバスとSL、日本初の路面電車である京都市電が走っています。1丁目