文化史学科の学び紹介Vol.11:発展講義2

文化史学科研究室です。


2023年度の文化史ブログでは「文化史学科の学び」を紹介していく新シリーズをがスタートいたしました。

第11回目は今年度からスタートした新しい科目「発展講義2」についてご紹介いたします。この科目は文化史学科の専任教員全員が担当するオムニバスの授業です。

授業の最後に学生さんによるポスター発表もおこなわれました。
そちらの様子もご紹介いたします!



発展講義2

担当教員

  文化史学科の専任教員

授業内容:

文化史学の「ファクト」と「フィクション」:ポップカルチャーから歴史と文化のつながりを考える 

創作と歴史の関係を学術的見地から分析・考察することをテーマとしています。各回ごとに様々な歴史上の出来事や人物に題材をとった「フィクション」をとりあげ、学術的な研究により導き出される「ファクト」との接点や相違点、またフィクションの形成過程やその背景、後世への影響等を史料をもとに解説します。

基本的にはオムニバス形式で、文化史学科の専任教員がそれぞれ一回分の講義を担当します。


履修可能な学年

 3年生、4年生


坂田先生からのコメント

 今回、ブログで紹介されているポスター発表は、講義の第12回、第13回に行われたものです。第11回までは、各教員が自らの専門や興味関心をもとにして、様々なフィクションを題材とした講義を行ってきました。そしてポスター発表回では、講義を聞いている学生さんたちに、自分たちが普段接している小説や映画、アニメーションや漫画、ゲームなどから好きな題材を選び、これまで講義内で紹介してきたアプローチを参考にして、「ファクト」を探ってもらったのです。

 ポスター発表という形式は、準備の手順が通常のプレゼンテーションとは少々異なり、当日は自分の発表を複数回行う形になるので、それなりにハードではあります。とはいえ、発表を通して自分の研究テーマや内容を吟味し改訂することができますし、発表者と聴衆が双方向のコミュニケーションをはかることができる有意義な形式です。

 この講義を通して、自分の「好き」を共有しつつ、同時にそれをどのように学術的にアプローチするかということを、皆で探求できたのではないでしょうか。


ポスター発表!

1月18日と25日の授業では学生さんによるポスター発表がおこなわれました。

ポスター発表の様子

学生さんが選んだテーマは、
  • 『ポカホンタス』『アルキメデスの大戦』『南部の歌』などの映画作品
  • 〈最後の晩餐〉や執金剛神立像などの美術作品を巡る伝説や物語
  • マリー・アントワネット、源義経、天正遣欧少年使節などの歴史上の人物を題材とした物語
など、時代も地域も異なるもので、どれも興味深いものばかりでした。
発表も熱のこもったもので、あっという間に発表時間が過ぎていきました。
文化史学科の先生方も学生さんの発表を興味深く聞いていました。


授業を履修している学生さんからのコメント

私は第二次世界大戦下のドイツを研究主題に考えているため、戦時中に行われたホロコーストを題材とした映像作品を取り上げ、ホロコースト教育での映像作品のあり方について発表しました。
ポスター発表という形式は初めてだったのでとても緊張しました。制限時間内で何度も繰り返し発表を行うなか、質問などを受け内容をブラッシュアップするなど、普段の発表では行うことができない部分が良い経験になったと思います。
発表のテーマがかなり個々に任されていたので、ジャンル関係なくそれぞれの興味関心に合わせたテーマが多かったように感じます。どの発表も力が入っていて聞いているだけで圧倒されてしまいました!
(文化史学科3年 Mさん)

ポスタ―発表では鎌倉時代に起きた曽我事件と、その事件を物語化した曾我物についてまとめました。このテーマを選んだ理由は、この事件を主題として描かれた月岡芳年作の「芳年武者无類 曽我五郎時宗・五所五郎丸」という浮世絵が好きだからです。そのため、発表を通して歴史と共にこの作品を知ってもらいたいと考え、ポスター発表を行いました。
ファクトからどのような過程を経てフィクションが生まれたのかや、フィクションが受け手にどのような影響を与えていたのかを学び、よりこの事件に対する興味を深めることができました。
(文化史学科3年 Tさん)




学生さんたちが作成したポスター

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