平和学 授業内講演
文化史学科の選択科目「平和学」の授業は、歴史的なアプローチをとおして戦争や貧困など平和の問題を考える授業が行われています。11月16日の授業では、国際協力機構(JICA)専門嘱託の木村健二さんを招き、授業内講演が行われました。
講演は「人間の安全保障を考える:東南アジアの家事労働移民、人身売買の事例から」というタイトルで、マレーシアに渡ったインドネシア家事労働者の具体的な事例を紹介しながら「人間の安全保障」が求められてきた経緯や概念について説明がなされました。特に、「人間の安全保障」が焦点を当てている脆弱な人びとの中でも、貧困や女性、外国人といった脆弱性の複合的な側面について学びました。
木村さんは、オランダのエラスムス大学ロッテルダム・社会科学大学院大学で博士(開発学)を取得するともに、外務省や難民支援NGOなどでも勤務経験があります。この日の講演では、アカデミックな概念の解説とともに、移民を支援するNGOの活動紹介や日本でできる支援などについても話がありました。
ご講演中の木村氏 |
学生さんからの感想も届きましたのでご紹介します!
人間の安全保障とは、人間一人ひとりに着目し、生存・生活・尊厳に対する広範かつ深刻な脅威から人々を守り、それぞれの持つ豊かな可能性を実現するために、保護と能力強化(エンパワーメント)を通じて持続可能な個人の自立と社会づくりを促すという考え方です。
今回の講演会では、特に人間の安全保障を必要とし、複合的な脆弱性をもつ、東南アジアの女性家事労働移民について学びました。
東南アジアでは、女性の社会進出により家庭の担い手がいなくなり、代わりに外国人労働者を住み込みで働かせるということがあります。この外国人労働者は家事労働移民と言われ、東南アジア国々は国策として移民の受け入れや送り出しが行われてきましたが、女性家事労働移民が抱える問題は非常に深刻です。
今回の講演会を受けて、海外の問題であると他人事にするのではなく、日本でも起こりうる身近な問題であると捉えて考えることの大切さを痛感しました。
(文化史学科4年 Sさん)
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