文化史学特別演習・短期研修3 南ドイツ研修旅行事前学習会②

 文化史学科研究室です。


5月29日(木)に続き、6月12日(木)にも研修旅行の事前学習会が開催されました。

第2回目は鈴木崇夫先生(西洋思想史)による「ナチズムとその思想」についての講義でした。

2025年度の海外研修旅行「ミュンヘン満喫!南ドイツの歴史と文化を巡る旅」に向けて、ナチズムの歴史を振り返り、研修旅行の見学地でどのような視点を持つべきかを提案してくださいました。

事前学習会の様子

今回も講義を担当された先生に質問をしてみました!

鈴木先生、よろしくお願いいたします。


***


本日の講義「ナチズムとその思想」の内容を教えてください! 

ナチズムは、ヒトラーを中心にアーリア人種の優越を掲げ、ユダヤ人や少数派を迫害した全体主義の思想です。政治だけでなく、教育、芸術、医療にまで影響を及ぼし、恐怖政治やプロパガンダで社会を支配しました。特に、1933年に設立されたダッハウ強制収容所は、ナチスの非人道的な迫害を象徴する場所で、数万人が過酷な労働や虐待に苦しみました。この講義では、ナチズムがどのように人々の自由と尊厳を奪ったのか、そして私たちがその歴史から何を学ぶべきかを考えました。


ダッハウ強制収容所について語る鈴木先生

研修旅行に参加する学生さんに、「こんな視点からそれぞれの見学地を見学して欲しい!」というポイントを教えてください! 

見学地での視点:過去から未来への学び

研修旅行では、単に歴史を「見る」だけでなく、「もし自分がその時代に生きていたら、どんな選択をしていたか」を考えてみてください。ナチズムの抑圧と向き合った人々の勇気や、自由と文化の大切さを、南ドイツの歴史的な場所で体感してほしいと思います。


学生さんにぜひ見てもらいたい見学地はどこですか? 

研修旅行では、単に歴史を「見る」だけでなく、「もし自分がその時代に生きていたら、どんな選択をしていたか」を考えてみてください。ナチズムの抑圧と向き合った人々の勇気や、自由と文化の大切さを、南ドイツの歴史的な場所で体感してほしいと思います。

1.ダッハウ強制収容所

ナチズムの残虐性を体現する場所。
収容所の展示や記念碑を通じて、犠牲者の声に耳を傾け、人権の大切さを考えてみてください。

2.白バラ記念室(ミュンヘン大学構内)

ナチスに非暴力で抵抗した学生グループ「白バラ」のビラ配布運動を展示。
学生たちの勇気ある行動から、個人の良心と抵抗の意義を学びます。記念室はミュンヘン大学の文学部(正式には神学部・哲学部)の建物内にあり、ドイツの大学の歴史ある雰囲気を味わえます。また、文学部の図書館にも入室可能なので、ぜひ覗いてみてください。

3.ノイエ・ピナコテーク(ミュンヘン)

ナチスが「退廃」と貶したモダンアートの作品も展示。
芸術を通じた表現の自由の抑圧を振り返り、現代の自由の価値を考えます。

4.イギリス庭園(ミュンヘン)

研修や歴史の見学の合間に訪れたい、ミュンヘン市民の憩いの場。
広大な緑地や自由な雰囲気の中で、南ドイツの日常と文化を楽しみながら、息抜きの時間を過ごしてください。


未来への一歩

この研修旅行が、ナチズムの過ちを学び、差別や抑圧のない未来を築くための行動を考えるきっかけともなることを願っています!




鈴木先生、ありがとうございました。
第3回事前学習会は研修旅行を引率される佐々木守俊先生(日本美術史)が担当されます。




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