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アンコール遺跡について学ぼう! 文化史学特別演習ーベトナムとカンボジアの歴史と文化を巡る旅―事前学習会②

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 文化史学科研究室です。 7月13日(土)、大学の410教室では上智大学総合グローバル学部・総合グローバル学科教授 丸井雅子氏による講演「アンコール遺跡からみる歴史・文化・地域社会」とシンポジウムが開催されました。 今回、文化史学特別演習で訪れるカンボジアではアンコールワットをはじめとしたアンコール遺跡を見学します。この講演会はカンボジアについて学ぶ事前学習の一環として広く学内の方へ公開されました。 講演会前半はカンボジアの歴史について アンコール時代からカンボジア王国復興までの歴史、ヒンドゥー教から上座仏教への移り変わり、森本右近太夫一房や祇園精舎、古美術品交換等、日本との関係について学びました。 後半はアンコール遺跡について アンコール遺跡が立つ地域の自然環境やクメール建築の変遷について学んだ後、丸井先生が関わっているバンテアイ・クデイでの発掘調査研究についてたくさんの写真と共に紹介いただきました。 丸井先生による講演がスタート! シンポジウム 丸井先生、桃井先生(西洋史)、石野先生(東洋史)と講演会に参加した文化史学科の学生さん2名の計5名で討論会をおこないました。 会場の学生さんからも質問を集め、丸井先生にお答えいただきました。 ベトナム、カンボジアを見学する際の服装といった旅行に関わることから、アンコール遺跡から出土した仏像の首がはねられている理由、アンコールワットがピラミッド型になった理由等より専門的な質問も飛び交いました。 先生がなぜ今の研究対象を選んだのか、その理由についても知りたいという学生さんもいたようです。 シンポジウムの様子 学生さんから感想も届いていますのでご紹介いたします! 私達日本人はなんとなく、遺跡というと過去のものという印象が強かったので、遺跡と人という観点での研究はとても面白いと思いました。遺跡はただそこにあるのではなく、内戦時は避難場所としても使われるというのも驚きました。どの地域でも起こりうる事象だと思いますが、日本人が同じような環境に陥ったとき、法隆寺などで当たり前に日常生活を送れるだろうか…と思うと無理だろうな……と感じました。(文化史学科4年) 私自身、カンボジアのことに関してほとんど何も知らなかったので、とても勉強になりました。その中でも、カンボジアに日本町があったことや日本とカンボ

夏のオープンキャンパス!「カワイイ魔物と哲学者」

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 文化史学科研究室です。 7月21日(日)、夏のオープンキャンパスが開催されました。 学び体験プログラムでは「カワイイ魔物と哲学者」と題し、木川弘美先生(西洋美術史)と鈴木崇夫先生(哲学)が模擬授業をおこないました。 木川先生の模擬授業ではドラゴン(竜)、悪魔、蛇などが描かれた作品を元に「カワイイ」について考えました。 木川先生の模擬授業 鈴木先生の模擬授業ではショーペンハウアーに焦点を当てて、「カワイイ」について学びました。授業冒頭では、7枚の写真からどれが「カワイイ」か、と人気投票もおこなわれました。 鈴木先生の模擬授業 模擬授業に続き、大井知範先生(西洋史)による文化史領域に関する説明「文化史領域ってどんなところ?~入学後の学びはこんな感じ!~」がおこなわれました。 文化史学科は2025年度から「総合文化学部 文化史領域」へと進化します。 これまで以上に様々な視点から文化史について学ぶことができるようになります!!その思いを熱く語ってくださいました。 文化史領域について説明する大井先生 その後、佐々木守俊先生(日本美術史)の司会進行で木川先生、鈴木先生による「カワイイ」に関する真剣トークが繰り広げられました。 「かわいい」「カワイイ」「可愛い」同じ言葉ですが、表記によって感じるイメージは異なるようです。皆さんはどのような印象を抱きますか? 皆様からの質問・コメントに答える先生方 最後は在学生による学び紹介です。 どのようなことを学んでいるのか? 学生生活で力を入れていること 清泉女子大学を選んだ理由 などについて4名の在学生のフリートークがおこなわれました。 途中、会場の皆様から拍手をいただく場面もありました! 在学生たちの生の声を聴くことができました! 「文化史領域」について少しでも興味を持ってくだされば嬉しく思います。 総合文化学科・文化史領域へ進化します!! 「文化史」の学びをさらに一段とアップグレード!      ①  地域や時代の垣根を越えた歴史の探求      ②  文学分野も好きなだけ学べる!      ③  英語圏・スペイン語圏の歴史と文化を増強!      ④  アクティブな学びをさらに一層拡充!

1年生対象の個人面談がおこなわれました!

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 文化史学科研究室です。 突然ですが、皆さんは大学の先生の「個人研究室」の扉をノックしてみたことはありますか? 「個人研究室」と聴くと…… ちょっと敷居が高くて入りにくい気がする… ドキドキしちゃって何を話せばいいのか分からなくなっちゃうかも… 大学の先生のお部屋ってどんな感じなの?気になる~ ちょっと入ってみたい! など、様々なことが思い浮かんでくるかもしれませんね。 文化史学科では1年生の6月に先生の「個人研究室」で個人面談がおこなわれます。 そう、先生の「個人研究室」に入れるチャンスがあるのです! 坂田奈々絵先生(聖書学)の個人研究室には、重厚な「暖炉」が設置されています。 鈴木崇夫先生(思想・哲学)の個人研究室では、ふかふかなソファーに座ることができます。 中野渡俊治先生(日本史)の個人研究室には、本のタワーができています。 大井知範先生(西洋史)の個人研究室では、皇帝ベア(テディベア)が出迎えてくれます。 そんな先生方の研究室でおこなわれる個人面談は、ひとり5~10分の持ち時間となっています。 「面談」というと堅苦しい気もしますが、大学生活のこと、授業のこと、通学のこと、様々なことを先生とおしゃべりしています。 笑い声が聞こえてくることもあります。 文化史学科は先生と学生の距離がとても近い学科です! 皆さんもぜひ、先生の個人研究室をノックして、先生とおしゃべりしてみてくださいね。

「写字生体験会に参加して」 参加学生さんからの感想です!

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 文化史学科研究室です。 先日、こちらのブログでもご紹介いたしました「写字生体験会―ゆるっと中世パレオグラフィー教室―」、いかがでしたでしょうか。 写字生体験会に参加した学生さんから感想が届きましたので、ご紹介いたします。 「写字生体験会に参加して」   文化史学科2年Iさん 今回、坂田先生が企画してくださったイベントは、羊皮紙に、当時のものを再現した「つけペン」や「インク(虫瘤インク)」を使って写字生体験ができるというもの。中世の写本の美しさに魅せられている私にとって、これは参加する以外の選択肢はありません!ちょっと緊張しつつ、写字生体験のスタートです。 まずは素材選びから。 牛、ヤギ、羊、パピルスの中からひとつ、好きなタイプを決めます。パピルスは7世紀ごろまでの素材、子牛は最も高価な貴人仕様とのお話しだったので、私はクリームっぽい羊を選択(牛もヤギも白でした)。 ちなみに傭兵の日給が2ペンスだった14世紀、羊皮紙は折丁1組で3ペンス、聖書1冊だと年収超えだったとのお話を伺い、羊皮紙がいかに高価なものであったのかがわかりました。そして「におい」です。今回は一片が5㎝くらいのサイズですが、鼻に当てて嗅いでみるとなかなかの獣臭。聖書一冊分だと結構キツかったのではないかと想像してしまいました。 写字生体験で使用した羊皮紙 さて次はつけぺん選びです。 パピルス用の葦ペンと羽根ペン2種があり、私は中世仕様の、羽が短いタイプを選択しました。羽ペンはガチョウの風切羽が一般的で、一羽に2本ずつしかとれない貴重品だったとのことです。ペン先はナイフで鋭く削ってあります。当時の写字生は毎朝かさず始業前に削ることが日課だったとか。 材料が揃ったところで資料を使って、坂田先生から歴史や字体の違い、本来のペンの持ち方、書くときの姿勢などのレクチェーがありました。とてもわかりやすく、ググッと写字生の気持ちになりきる準備がいます! 私が書く文字は、先生がラテン語文章を抜粋して作ってくださった短冊からおみくじのように引いた(選んだ?)「Post nubila Phoebus」(雲の後は太陽)と、「Fiat lux」(光あれ)です。「この先いいことしかないじゃん♪」と思わせてくれる言葉

文化史学科研究室 夏期休暇期間中の開室について

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 文化史学科研究室です。 大学は7月25日(木)から9月27日(金)まで夏期休暇となります。 文化史学科研究室も夏休みをいただきます。 現在確定している文化史学科研究室の開室予定表を作成いたしました。 研究室にご用の際は、助手在室時間をご確認いただければと思います。 なお、緊急で休みをいただくこともあります。もし、皆さんがいらしてくださった際に閉室となってしまったら、すみません。(助手不在日の追加分は随時更新していきます!) それでは、良い夏期休暇をお過ごしください!! 閉室日のお知らせ:8月16 日(金)

羽ペンを使って羊皮紙に文字を書こう! 写字生体験会開催

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 文化史学科研究室です。 5月23日(木)31日(木)、6月6日(木)の3日間、文化史学科研究室では「写字生体験会―ゆるっと中世パレオグラフィー教室―」が開催されました。 講師は坂田奈々絵先生(聖書学)。 左:写字生について説明する坂田先生 右:学生と一緒に話を聞く中野渡先生 「中世の文字と文書の文化に触れてみよう!」ということで、中世西ヨーロッパの文房具事情や書体、また写本に用いられる略号の初歩を学び、羽ペンや葦ペンで羊皮紙やパピルスに文字を書くというイベントです。 中世の修道士になった気分で羽ペンを使い羊皮紙に文字を書く!なかなか体験できない…ということで、多くの学生さんが参加していました。貴重な体験となったのではないでしょうか。 体験会の様子をご報告いたします! 写字生体験会で使用する道具 写字生体験をするために必要なのは紙とペンです。それぞれの道具について説明がありました。 「紙」 古代末期から中世初期にかけて、ヨーロッパでは、文字を書くための紙がパピルスから羊皮紙に次第に変化していきました。パピルスの主な生産地はエジプトでしたし、耐久性の問題もありました。巻物には適していたパピルスでしたが、パラパラとめくる冊子に用いるには不向きだったのです。そこで、動物の皮を原料とする羊皮紙が使われるようになりました。 今回は「子牛」「羊」「ヤギ」の3種類の羊皮紙とパピルスが用意されました。 ちなみに、一番高級な羊皮紙は「子牛」とのことです。中世の時代、羊皮紙はどれも高価で、図書館の本は鎖に繋がれていたとか! 「ペン」 ガチョウの羽を使った羽ペンを使い、文字を書いていきます。 この羽ペン、時代や場所によって羽部分のボリュームが異なるそうです。羽ペン=ふさふさした羽が付いている!と思っていたので、羽が短く切られていることに意外性を感じました。 羽ペン以外にも葦ペンや金属製のつけペンも登場し、書きごごちを比べてみた学生さんもいたようです。 「インク」 「虫瘤インク」という、オークなどにできる虫瘤や、硫酸鉄などから作られたインクを使用しました。 文字を書いてみると真っ黒ではなく、茶色みががかった、綺麗な色の文字が浮かび上がってきました。 写本に関するレクチャー   カロリング朝以前の写本は、現代で言う「大文字」だけが使われ