大学では夏休み中にも授業があるんです! 夏期集中講義の様子 「学芸員」

文化史学科研究室です。


夏休み中におこなわれる授業「夏期集中講義」第2弾のご紹介は、学芸員の資格取得を目指すために必要な科目についてです。

学芸員資格は博物館や美術館で働くために必要な資格です。

毎年30名前後の学生さんたちが資格取得に向けて、勉強しています。しかし、資格取得後、そのお仕事に就けるのは、ほんの一握りです。

そんな学芸員を目指している学生さんから授業の紹介が届きましたので、ぜひ読んでみてください。

学生たちが授業を受ける教室


文化史学科3年生 Nさん

「博物館学」塚原正彦先生

「博物館資料論」佐々木守俊先生


学芸員課程では、3年生の夏に「博物館学」と「博物館資料論」という集中講義があります。どちらも必修の授業で、学芸員を目指す学生は全員が受講することになっています。今年度はコロナ禍の影響により、どちらもオンライン、オンデマンド形式での授業でした。

博物館学は、その名の通り、博物館とは何かということについて詳しく学ぶことができる授業です。博物館の成り立ちや、今日に至るまでの歴史、今後の博物館が抱える課題などを学びました。集中講義ということで、短期間にやらねばならないことも多く、大変だと感じたこともありましたが、博物館についての知識はしっかりと身に着いたと実感しています。

博物館資料論は、博物館にとって資料とはどのようなものであるか、ということについて学ぶ授業です。今年の博物館資料論では、実際に学芸員になったつもりで展示企画を考え、そこから資料についての考え方を深めることができました。こちらも短い時間で調べ物をしたり、発表準備をしたりと忙しく感じましたが、その分達成感の大きい授業だったと感じています。他の履修生の発表からも学ぶことが多く、とても楽しい授業でした。

集中講義の良いところは、その内容を短期間で学べるところです。同じ授業を履修している履修生同士も仲良くなれる機会が多くありますし、担当教授にも質問などがしやすい雰囲気があります。授業にもよるとは思いますが、授業時間が長い分、そうした和気あいあいとした雰囲気や親しみやすい雰囲気が生まれるのかもしれません。

しかし、上記にもあるように、集中講義で大変なのは短期間でやらなければならないことが多いという点です。その日の授業が終わってすぐ、明日の発表のためにPowerPointや発表原稿を作成する、指定された課題をその日のうちに終わらせる、というように、授業だけではなくその他のタスクも集中型になってしまいがちです。私は前々から計画を立て、コツコツとタスクをこなしたいたちなので、集中講義の課題はいつも少し焦ってしまいます。大変なのはもちろんですが、それも学芸員を目指す自分のためだと思い、張り切って取り組むようにしています。

私が学芸員という仕事を知ったのは、中学生の時でした。私の住んでいた地域では、夏休みの宿題として社会科の自由研究を選択することができ、私はほぼ毎年社会科の自由研究を選択していました。中学二年生の夏に自由研究のテーマに選んだのは、地元茨城県の戦争についてです。茨城県日立市は工場が多く、連合軍に軍需工場ではないかと警戒されて艦砲射撃を受けた歴史があります。実際私の曾祖母の家の屋根には、砲弾が通過した穴が開いていました。また、茨城県阿見町には、海軍飛行予科練習生(通称予科練)と呼ばれる青年たちが訓練していた場所があります。調べれば調べるほど、茨城県が戦争と深い関係にあったことを知りました。私はその夏、予科練平和記念館という博物館に行き、そこで学芸員の方から説明を受けました。「回天」という兵器をご存じでしょうか?回天は、第二次世界大戦で使われた人間魚雷の名前です。記念館には回天についての展示があり、それを眺めていた私に学芸員の方が声を掛けてくださいました。まだ十四歳だった私に親切に説明をしてくださった姿に憧れを抱き、私も学芸員として働いてみたいと思うようになりました。予科練平和記念館には、実際に使われていた服や家族に書かれた手紙など、貴重な資料がたくさんあります。貴重な資料を大切に保管、展示し、こうして今を生きる私たちに伝えてくれる。それが学芸員という仕事の魅力なのではないかと私は考えています。


コメント

このブログの人気の投稿

文化史学特別演習ーイタリア研修旅行ー 参加学生によるポスター発表!

文化史学科を卒業した先輩に聞きました!「文化史学科の魅力」①

文化史学科の学び紹介Vol.11:発展講義2