東京国立博物館で博物館実習

こんにちは、文化史学科研究室です。

東京国立博物館の建物について説明される山本先生
6月16日(土)、学芸員の資格取得を目指している4年生が上野の東京国立博物館に集まりました。
山本先生(日本美術史)による博物館実習の授業がおこなわれたからです。

学芸員とは博物館で働くために必要な資格です。今年は32名の学生が資格取得を目指し、頑張っています。


東京国立博物館の正門に集合した学生たちは山本先生と一緒に博物館の敷地内へ。
それぞれの建物の建築年代について、池とセンターラインの関係などの説明を受けつつ、帝冠様式の本館へと移動しました。


本館では日本美術の流れを紹介しています。
縄文時代から始まり江戸時代まで、時代を追って見学することができます。展示物は土器、埴輪、仏像、絵巻物、茶器、刀、鎧兜、着物、浮世絵など盛りだくさんで、じっくり見学するには一日がかりになってしまいそうです。


今回は「博物館実習」ということで、展示されている作品を鑑賞するのではなく、展示方法、空間の使い方、照明など、つまり博物館のハード面について学びました。


展示室は壁一面がガラスケースになっているそうです。
展示する作品によって、パネルでガラス面を覆い窓を作成する、足元に台を作り空間を区切るなどの工夫が随所に見られました。特に台を作ることにより、展示物と床との空間を埋め、畳敷きの部屋での鑑賞を再現するのは日本美術を展示する上で欠かせないものとなっています。西洋系の美術館、博物館との大きな違いだそうです。


様々な展示方法について解説中です
作品解説も作品そのものを見るときは邪魔にならず、でも、それぞれの作品をきちんと説明できる場所に設置されていました。
この作品解説に限らず、館内の案内掲示も日本語、英語、中国語、韓国語で表記されています。各言語のパンフレットなどもアルバイトの方が作成されているそうで、博物館で働くにはパソコンのスキルはもちろん、語学も堪能でないとダメなようです。
 
作品解説は日本語、英語、中国語、韓国語で記されています

もう一つ、大きな工夫が照明です。
作品が一番よく見えるように明るさ、角度がしっかり計算されていました。また、照明器具が作品を見ている来場者の目に極力触れないように設置されていることも学びました。
昔は建物の窓から明かりを取り込み、作品を展示していたそうですが、紫外線対策から窓は遮光され、その分、照明の果たす役割が重要になったそうです。

作品を照らす明かりにも工夫が・・・
約2時間かけて東京国立博物館の本館を見学しました。
学生たちはその後、自分の好きな展示を見に、博物館の中へ散っていきました。

学生たちは学内での授業、5月におこなわれた根津美術館の見学、そして今回の見学をふまえてレポートを作成しなければなりません。
皆さん、頑張ってレポートを作成してください!



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