文化史学科を卒業した先輩に聞きました!「文化史学科の魅力」⑥

文化史学科研究室です。

文化史学科を卒業した先輩に「現在のお仕事」と、「卒業したからこそわかる!文化史学科の魅力」をインタビューしました。




市役所職員を選んだ理由

大学時代、教師に憧れ、幼稚園教諭・中学校高校教諭・司書教諭免許を取りました。新卒で勤めた公益財団法人・社会福祉法人では総合職として、学童・保育園事務、スポーツ指導等していました。仕事をするなかで社会福祉(障がい児・者、依存症、更生保護制度)ついて興味を持ち、保育士・社会福祉士の資格を取り専門職として働きたいと思うようになりました。現在は社会福祉に関わる仕事に就き、その人にとっての最善を考えながら働かせていただいております。大学時代と変わらず、他者を理解することに楽しさを感じながら就労出来ています。


働いていて、大学の学びが役に立った瞬間はありますか?

就労先で私は多面的に人を捉えています。(例えばその人の強み、支援者がいるか、年金受給できるか等)
大学で日本史、西洋史、思想史、教育、美術史等横断的に学んだことで、多面的に物事をみて、理解するという考え方が身に付きました。


今も印象に残っている授業はなんですか?

政治学原論
ガンジー、ネルソン・マンデラ等について学び、非暴力、富の再分配、平和について考えました。講義を通して、社会的弱者の権利擁護について関心をもったことが現在の仕事に結び付いていると思います。
例えば、2004年国際ソーシャルワーカー連盟と国際ソーシャルワーク学校連盟によって採択された「ソーシャルワークにおける倫理―原理に関する声明」というものがあります。ここに挙げられた原理の2つのうちの1つである、社会正義には
①否定的な差別への挑戦(社会福祉士は能力、肌の色、性別等による否定的差別に挑戦する責任がある)
②多様性を認識すること(社会福祉士は民族的・文化的な多様性を認識し、尊重しなければならない 。違いを認めあう)。
③資源の公正な分配(社会福祉士は資源が公正に、個人・グループ等のニーズに従い分配されるように保証する)。
④不正な政策や実践に挑戦すること(社会福祉士は雇用者・一般市民等の関心を有害な状況に向かわせる責務がある)。
が挙げられてます。
政治学原論の講義で習ったことそのままが社会福祉士として実践する上でいきています。

社会学原論
ブルデューの文化資本を習ったことを覚えてます。文化資本には
①身体化されたもの(言葉遣い、マナー等)
②客体化されたもの(好みの音楽等)
③制度化されたもの(学歴等)
があります。例えばスポーツ界で成功するためには、親譲りの恵まれた身体・能力、練習環境等があったほうが成功しやすいかもしれません。文化資本の再生産の視点から、大学時代、格差を埋める何かがしたいと思っていました。


どんな時に文化史学科で学んだことを思い出しますか?

日々業務を行う時!
生活保護業務は家庭訪問、窓口業務、事務処理等があります。清泉で学んだことを思い出し、お客様対応は誠実に愛を持って行いたいと考えています。

息子と接する時!
育児の際、教育学の知識が役立ちます。息子のありのままを受け止め、読書、外遊びに付き合います。

ゼミの先生等から著書、お葉書をいただいた時!
年月を経ても、大学時代の先生とやり取りがあります。先生方のご活躍、お心遣いが嬉しいです。

旅行した時!
ゼミ合宿は京都に行きました。
卒業論文の進捗状況発表をするための合宿でした。発表後、はも鍋を囲みながら、先生とゼミの仲間で恋愛話等をしたこと、ゼミ仲間と清水寺で着物姿の写真をいっぱい撮ったことを懐かしんでいます。


文化史学科に入学する前と卒業した後で、なにか自分の中で培われたものがありますか?
    自分を信じること
    大学ではがむしゃらに勉強しました。呑み込みが悪く勉強はできる方ではありませんでした。けれど先生方にお支えいただき、勉強を頑張ることが出来ました。
    大学で苦手な勉強も頑張ったので働いてからも自分を信じて勉強を続けることが出来、資格取得ができました。そして今の仕事が出来ていると思います。

    周りを幸せにするため学ぶこと
    同僚、市民の相談を受ける際に役立つと思い、今も学び続けています。大学の時に文化史学会に入り、学科の友人、先生方のために働くことを通して誰かのために働くことの素晴らしさに気づきました。

    頼ること
    清泉は先生方との距離が近く勉強の相談にもよくのってもらいました。当たり前かもしれないですが、わからない時には頼ればいいと教えて貰いました。

    理解されることより理解することを
    大学の学びで、相手を理解することが平和への近道だと思いました。
    生活保護世帯のひとりひとりの状況を受け止め、お気持ちを傾聴し、何をして差し上げることが最善か模索したいと仕事に励んでいます。

    幸せを願う心
    被保護世帯(生活保護世帯)は傷病者、高齢者等色々あります。偏見を受けやすい立場かもしれませんが、私も皆さんも働けなくなり貯蓄がつきれば保護を受ける立場になると思います。
    偏見を持たず被保護者一人一人を大事に接したい、状況を受け止め、お気持ちを傾聴し、何をして差し上げることが最善か模索したい、一人一人の幸せを願いたいと思っています。

    助手さん、先生方は学生の最善を考え、あれこれ悩んでいる学生に伴走してくださっていました。私も大学職員の皆さまにいつの間にか似てきたと自覚しています。


    文化史学科の好きなところはどんなところですか?

    助手さんや先生方が温かいです。
    学生も見た目や趣味は色々ですが、皆優しいです。皆と助け合いながら、勉強していました。ノートの貸し借りなどもよくやっていました。
    アットホームな環境で安心しながら勉強できました。


    受験生へのメッセージ!
    文化史学科はどんな学生にも光を当ててくれる学科です。

    まだ好きなことが見つからなくても大丈夫です。ゆっくり色々学んでいるうちに、あなたの大事なもの、好きなものが見つかります。

    あなたにとって充実した生活が送れますように祈っています。応援しています。

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